Google Workspace(G Suite)の中国での利用に関する注意点

Google Workspace(G Suite)を中国で使用したいと考える方もいるのではないでしょうか。今回は、中国でGoogle WorkspaceやMicrosoft 365(旧 Office365)は利用できるかや、どうしても利用したい場合の工夫、中国でGoogle Workspaceを使用した場合の回線についてご紹介します。


Google Workspace(G Suite)の中国での利用に関する注意点

Google Workspaceは中国本土で利用できません

中国でGoogle Workspaceを利用できるかどうかという質問は、Google Workspaceの説明会を行うたびに頻繁に質問される質問です。中国では、Microsoft 365(旧 Office365)を利用できますが、GoogleのGoogle Workspaceは利用できません。

「Google Workspace中国版」はありません

マイクロソフト社は中国でMicrosoft 365を直接販売はしていませんが、マイクロソフトが承認した21Vianetという中国の国内企業が販売をしています。

中国版のMicrosoft 365は、中国以外の国で販売されているMicrosoft 365とは別に販売されているだけでなく、中国版のアカウントは、中国国外でMicrosoft 365にログインすることができません。 Microsoft 365の中国版は、中国政府の許可を得た中国版のMicrosoft 365になります。

Google Workspaceには残念ながら「中国政府の許可を得た中国版Google Workspace」とういうものはありません。

中国で使えないと言ってもホスト間の通信はブロックされていません

多くの人々は、中国政府が中国のホストと海外のホスト間の通信をブロックしていると考えていますが、これは誤解です。

実際、中国政府がブロックしているのは、クライアント側の接続です。中国でFacebookやInstagramに接続できないというのは、よく知られた状況です。中国政府が中国と海外のホストの間のパケット通信をブロックした場合、中国と外国の間でメールの送受信ができなくなります。それ以上に、中国と外国の銀行の間で取引ができなくなってしまいます。ですから、バックエンド間の通信がブロックされていないことがわかります。

本社ではGoogle Workspaceを使用しているため、世界中の他の拠点でもGoogle Workspaceを使用する必要があるという人はいません。「中国とその他の国」の通信ニーズがある企業の場合は、現地の規制に準拠し、中国で正常に動作し、Google Workspaceを使用する他の海外の場所と通信できるシステムを使用することをお勧めします。


どうしても中国でGoogle Workspace(G Suite)を使いたい場合

短期間の出張ならローミングしてGoogle Workspaceの利用が可能

ローミングとは、ユーザーが電気通信会社の対象範囲外の地域に行った場合でも、電気通信会社の現地パートナーの通信機器を使用して電気通信サービスを利用できることをいいます。(SIMカードが日本のネットワークを使用している場合)ローミングしている場合、IPは日本のIPになるため、中国国内のインターネットのアクセス規制を受けません。Google Workspaceだけでなく、FacebookやInstagramも正常に使用できます。

ただし、ローミングは中国国外のIP経由でインターネットにアクセスするために、ディディタクシーなど、中国国内の一部のサービスは利用できません。つまり、中国の国内インターネットに接続しない限り、中国の「ゴールデンシールド」の影響を受けることはありません。

MPLS専用線またはSD-WANを使用する

中国のオフィスでGoogle Workspaceを使用する際の最も問題の少ない方法は、MPLS専用回線を使用することです。中国以外のネットワークに専用線で接続することで、アクセス規制の心配がなくなります。専用線はオフィスからのみ接続可能なため、Google Workspaceがオフィス環境でしか利用できないことも意味します。

最近では、専用線よりも安価な選択肢として SD-WAN を利用する方法もあります。中国のPoPを所有した通信事業者が提供するSD-WANを利用することで同じ帯域幅がMPLS専用線のほぼ半分近くのコストカットが可能になります。SD-WANとVPNは両方とも中国政府の管理下にあるので、常に確実に動作するという保証はありません。

特に最近、中国政府はVPN の管理により積極的になっているようなので、VPNをソリューションの一部として含まないことをお勧めします。 ちなみに、Google Workspaceを専用回線で使用する場合でもSD-WANで使用する場合でも、ユーザー数が30〜50の企業には約20Mの帯域幅が、100人を超える企業には約50Mの帯域幅が必要となります。

メインの市場が中国である場合

中国国内のメールシステムを利用するのが最も現実的

Google Workspaceを利用している多国籍企業が中国に支店を持っていて、中国支店が他の海外支店とGoogle Workspaceを共同利用する必要がない場合、中国国内では、政府が承認したメールシステムの利用をおすすめします。

二重配信設定を行うことにより、Google Workspaceと中国国内のメールシステムの共存が実現できます。 Google Workspaceと中国のメールシステムの双方で設定を行い、双方がお互いにメールを送受信ができるようにルーティングをします。中国以外の拠点ではGoogle Workspaceを利用し、中国では法定のメールシステムを利用する環境を整えます。

Google Workspaceの中国での利用は非推奨

基本的に、中国のインターネット上のすべての情報は政府によって管理されています。前述したように、中国政府からライセンス供与された、いわゆる中国版のGoogle Workspaceはありません。結局のところ、SD-WANは暗号化された伝送技術であり、中国政府によるPoPとの接続をブロックするリスクは依然として存在します。

Google Workspaceは、企業が毎日仕事に行をする際に欠かせないツールです。都市のインフラストラクチャと同様に重要であり、安定性と信頼性が求められます。

しかし、オフィス環境に手に負えない多くの要素がある場合、日常業務にも影響が及びます。したがって、中国でローカルビジネスを行う企業にGoogle Workspaceを使用することはお勧めしません。

また、現在Google Workspaceは中国のccTLDドメインを受け入れていないため、企業は.cnドメインを使用してGoogle Workspaceに申し込むことができません。中国の企業がGoogle Workspaceを使用する場合、.comなどの他のドメイン名を使用する必要があります。

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